障がい者施設と防災

現在、藤沢市で障がい者通所施設「湘南むぎばたけ」が工事中です。
また、東京では障がい者のグループホームの設計が進んでいますが、
それぞれさまざまなご要望を頂いている中で、どちらも防災に関してのご要望が目立ちます。

必ず来るであろう首都圏の震災に対し、準備をしておかなければなりません。

特に、障がい者や高齢者、幼児など、避難が困難な方々のための施設の設計を多くお手伝いさせて頂いているなかで、最近特に防災対策を施す必要があると感じいています。

先の3.11東日本大震災の時も、施設から帰宅する事が困難になった方々が多くいらっしゃったと聞きます。障がい者施設などは、数日過ごす事も考慮した対策を講じる必要があると思います。

障がい者の方たちにとって、避難所への移動などが困難な場合は、施設内で過ごす方が慣れていることもあって精神的にも安定するでしょうし、避難所もでの生活も、難しい面があります。

まずは、備蓄が大切です。
そのためには、備蓄のスペースの確保。また、何をどれだけ備蓄するかを考えなければなりません。

ちなみに、備蓄の3大要素と言われているのが、

1.水
2.食料
3.トイレ

なのだそうです。

水は、ペットボトルや雨水の再利用、受水槽などが利用できます。
ペットボトルの水は、賞味期限がありますので、期限切れのものはトイレで流す水などにもつかえます。

食料については、最近、水を必要としないものも多くあります。そのまま食べれるものがあると便利です。

また、食事を作る際の熱源も忘れてはいけません。
カセットコンロのボンベや薪、灯油など。

今、設計中のグループホームは、暖炉を置く案も出ています。

トイレについては、災害用トイレやポータブルトイレがあります。
災害用トイレは、マンホール型を外部に用意しておくと良いと思います。

ポータブルトイレもデザインの良いものがあります。



↑ カナダ人のデザイナーがデザインしたポータブルトイレです。
なかなかオシャレ。

災害時には、デザインは関係ないかもしれませんが・・・


いずれにしろ、「備えあれば憂い無し」です。





障がい者施設と防災

早いもので、もう12月です。

これから、都内某所で障がい者のグループホームの計画が始まります。
その中で、災害時の対応を考慮した建物にしてほしいとのご要望を頂いています。

震災などの災害時には、老人や障がいをもった人々、子どもたちがダメージを負う率が高いですし、避難所においても負担が多いものです。

今回の施設で、運営を行うNPOの代表の方は、被災地でそういった状況を目の当たりにしたそうです。

今、現場が進んでいる障がい者通所施設の「湘南むぎばたけ」も同じご要望を頂いています。
建物には、電源確保のための太陽光発電や、災害用トイレの設置を行いました。

老人ホームや、障がい者施設、保育園・幼稚園には、災害時に防災拠点となりうる設備を整えていく必要性を感じます。

今回は、太陽光発電、雨水再利用、備蓄倉庫などを計画に盛り込んでいく予定です。




気仙沼の障がい者施設で作られているクッキーとパウンドケーキを頂きました。



パウンドケーキはしっとりしていて、なかなか美味しかったです。
クッキーもあっという間に食べてしまうほど美味しいです。






いっしょにはいっていたカードには、かえるになぞらえて、

「福かえる!!ぶじかえる!!笑顔にかえる!!」

という言葉が書いてありました。手作りのカードは、心が温まりますね。

まだまだ、復興が進んでいない状況ですが、みなさんがんばっていらっしゃいます。
私たちができることで応援していきたいと思います。




天井の安全性

今日の毎日新聞の記事に

「東日本大震災:「つり天井」2000施設で崩れ77人死傷」 という記事がありました。




国交省が、一般社団法人建築性能基準推進協会に被害状況の調査・分析と落下防止策の検討を依頼した結果判明したもので、天井の崩落事故が東北、関東地方を中心に約2000施設にも及んだとの事です。

また、約200施設を抽出調査したところ、建築時期は5割以上が96年以降と比較的新しく、用途は店舗や事務所、ホールが多かったとの事。

大規模の建築物の事故が多く取り上げられていますが、住宅以外の一般建築はほとんど吊天井が使われてるのが現状です。

私たちが得意とする幼児施設、老人福祉施設や障がい者福祉施設も例外ではなく、同様の天井が使われています。

以前より、弊社社内では「懐がある天井は下地を補強する事」と常日頃から言われて来ました。ですから、今まで私たちが担当させていただいた建物では、天井が落下したという事故は、起きていません。

今後も起こりうる地震に備え、構造的な安全性だけではなく、仕上材等の2次部材などの安全性も検証していく事が大切です。









公共施設の木造化

明日10月1日に「公共建築物木材利用促進法」が施行されます。

政府は今まで、建物の不燃化などのため公共施設の「非不燃化」を推し進めてきましたが、
抜本的な方向転換を図り、CO2の削減、林業再生のため公共建築物に木材を使用する事を法律化しました。

国や自治体が学校や図書館、庁舎など公共施設を新たに整備する際、低層の場合は原則としてすべて木造建築とする事を基本方針としています。

横浜事務所でも来月、埼玉県深谷市で木造平屋の保育園が着工する予定です。今までも、木造園舎を数多く造ってきました。

横浜市港南区の認定こども園「ムロノキッズ」↓


木の温もりが伝わってくる空間です。

また、現在設計中の横浜市内の幼稚園の内装には県産材の木材を使用する予定です。

自分自身も小学校は木造園舎で過ごしました。
古い園舎だったので、雨が降ると廊下中にバケツが置かれていたなんてこともありましたが、温かい園舎だった事を憶えています。

耐火要求やその他の法的規制、コストの面で木造にすることが難しい場合もありますが、今後も積極的に木造のご提案はしていきたいですね。




老人福祉施設の計画

昨日は敬老の日でした。

私も今年90歳になる祖母に会いに行きましたが、祖母は毎年海外旅行に行くなど私よりも体力があるのではないかと思うくらい元気です。

祖母は実家で叔母と同居していますが、世間では老人ホームに入れない待機老人が多くいらっしゃいます。今後も、ますます施設に入れない老人が増えることが予想されます。

横浜事務所では、幼稚園・保育園の計画と同時に、有料老人ホームやグループホーム等の老人福祉施設の計画も進行中です。

「終の棲家」としての施設は保育園とは対極にあるように思いますが、基本的な部分では同じです。
居心地や安全性を重視し、風通し、日当たりがよい施設の計画をする事は、どの建築の設計にも共通することです。

先日、TVで京都大学大学院工学研究科の外山義教授の事を放送していました。外山教授はすでにお亡くなりになっていますが、ユニットケアや老人の住環境の改善を推進した方です。

「生命力をしぼませない“住環境”が大切」と外山教授はおっしゃていました。
そのとおりだと思います。

老人ホームは入居しそこで暮らすわけですから、まさに「家」を造ることになります。今まで暮らしてきた家が当然ある訳ですが、施設での暮らしも今まで以上に良いものであるような建物にしたいです。





建築確認手続き等の運用改善に係る講習会に行ってきました。

 今日は午後からみなとみらいにあるパシフィコ横浜で開催された建築確認手続き等の運用改善に係る講習会に行ったきました。



姉歯元一級建築士の耐震偽装事件から早4年半が経ちましたが、その間建築基準法が改正となり審査の厳格化で、建築確認申請も最長で半年かかった事もありました。

最近はだいぶスムーズになったとはいえ、まだまだ以前に比べると時間はかかっています。もちろん審査が厳しくなった事は世の流れとして当然かもしれませんが、申請に係る書類や業務の量がかなり増えた点はどうにかならないかと思っていました。

ようやく、6月1日から建築確認手続きの運用改善が行われる事となり、今日はその講習会に行ってきたわけです。

講習会は、川崎市と横浜市の建築指導課、建築企画課の方から説明が行われました。
内容は、建築確認の迅速化を図る中で、確認申請図書の補正の対象の拡大や、第三者による構造チェック(適判)の並行審査、「軽微な変更」の対象拡大などが新しく行われるという事です。

また、申請図書の簡素化では大臣認定書の省略や設備に係る部分の簡素化などがある一方で、違反設計、建築に対する厳罰化も行われます。

姉歯事件後も、数件耐震偽装事件が起こっています。設計事務所、建設会社におけるコンプライアンスは当然の事で、姉歯事件や一連の偽装事件で失墜した建設業界の信頼を回復して行かなければならいと思います。






保育園へのリフォームについて

 昨日は、県内の某保育園候補地を視察してきました。
細長い敷地に既存建物が有り、リフォームして保育園にできないかとの相談でした。

建物は工事用の事務所に利用していた仮設の建物で、広さとしては十分でしたが耐震性に疑問があった事と検査済証が恐らく無いとの事で、保育園の施設には難しいという事をお伝えしました。



一見、損傷もなく十分使用できそうな建物でしたが、こども達を預かる事を考えるとやはり建替える事が妥当ではないかと思います。

仮にリフォームが可能で有った場合、コストの面では、耐震診断+補強、リフォームということになると、木造平屋建てを新築した場合と大差が無くなる場合もあります。

費用対効果からすれば新築して、より良い土地利用と将来対応を可能にした園舎を造る方がメリットがあるかもしれません。

今回はリフォームは難しいという事になりそうですが、既存建物の再利用は大賛成です。
横浜市でも、既存建物を改修して保育園を設置する法人の募集が始まりました。
今、様々な製品のリサイクルが行われていますが、建築も材料はもちろん建物自体のリサイクルを進めていく必要があると思います。



改修して保育園をつくります(建物のリサイクル)

先日、安藤忠雄さんの設計で横浜地方気象台が改修され供用を開始しました。1927年8(昭和2年)の建物を耐震補強し、所々創建時の面影を残した改修がされています。

横浜市では他にも数多くの歴史的建造物の保存・再生が行われています。
神奈川県庁(キング)をはじめ、横浜市開港記念会館(ジャック)、横浜税関本関庁舎(クイーン)、赤レンガ倉庫などがあります。

神奈川県庁(キング)↓


横浜市開港記念会館(ジャック)↓


赤レンガ倉庫↓


歴史的建築物ではないのですが、つい先日、マリンタワーもリニューアルオープンしました。

横浜市では、「歴史的建造物制度」を設け、建物の保全を積極的に行っています。
保全する上で重視しているのが「外観の保全」です。つまり、街並みの形成に貢献する建物を登録・認定し、外観が守られれば内部の改修は問わないと言うものです。

パリの建物保全に似たような考え方です。(パリほど厳しくはないですけど・・・)

歴史的建造物ではないにしろ、まだ使用できる建物を改修して別の用途に使う事が増えています。
横浜事務所では現在5件の保育園の設計が進んでいますが、その中で1件は既存ビルを改修して保育園にするというものです。

以前は事務所ビルでしたが、60人規模の認可保育園に改修します。
改修で難しいのは、既存の間仕切りによる制限です。乾式(軽鉄下地)の壁なら問題ないのですが、コンクリートの躯体の壁は変更が難しいので、既存の間仕切りをうまく利用して部屋の配置を行う必要があります。

もう一つ難しいのが水廻りです。既存で水廻りがあった場所にまた便所などを配置できれば良いのですがそうはうまくいきません。
いろいろ難しい点は他にもあるのですが、来年の春には60人の子ども達を受けいれる事ができそうです。

改修は手間も時間もかかりますが、コスト的には新築よりかなり安く出来ますし、何よりもリサイクルと言う点ではエコにもつながります。
以前小学校の空き教室やテナントビルを保育園にした事もありますが、改修もこの先増えていくと思います。



杉戸白百合幼稚園

弊社が6年前の担当した、埼玉県杉戸町にある杉戸白百合幼稚園に伺ってきました。

かなり久しぶりに、理事長先生をはじめ園長先生や先生方とお会いしましたが、懐かしいお顔ばかりで、設計の打合せや監理によく通ったことを思い出しました。

園庭のけやきの木も園児の成長とともに大きくなっていました。


いつ来ても感心する事があるのですが、園舎を大切に使われていることです。
掃除やメンテナンスが行き届いており、とても完成して6年経っているとは思えないほどです。ガラス面が多く規模も大きいので、先生方のご苦労を察します。

いつも完成した際には、継続的にメンテナンスを行うことをお願いしています。特に、幼稚園や保育園は子供達が活発な分、建物の傷みも早くなります。もちろん、耐久性やメンテナンス性を考慮した建材を使用しますが、メンテナンスの有無が建物の寿命を左右する事は確かです。

杉戸白百合幼稚園さんのように園舎を大切に使っていただいてるのを見ると、設計者の立場としてはうれしいですね。



LED

前回のブログはAEDでしたが、今回はLEDです。

今日は、事務所にパナソニック電工の営業の方がお見えになり、新製品の説明がありました。



事務室の照明やスポットライト、屋外照明など実際明かりをつけたところを見させてもらいましたが、いくつか興味深い製品もありました。中でも、LEDの照明はぜひ採用してみたいものです。



LEDの良さはなんといっても長寿命で省エネルギーといったところではないでしょうか。
昨日、発表されたLEDのダウンライトは、ランプの寿命が40,000時間。つまり約10年間は交換する必要がないそうです。
加えて高効率なので、少ない台数でも従前の明るさを確保できるという、まさに優れものなのです。

まだまだLEDの照明機器は、コストが高いので建物すべてにとはいきませんが、吹抜けやメンテナンスのしずらい場所、天井をすっきりさせたいところの照明には良いのではないかと思います。

デザイン面でも、機器自体をコンパクトにできるためデザインの広がりが期待できそうです。

最近は鉄道や道路の信号機などでよくLEDのものを見かけるようになりましたが、建築業界ではまだまだです。
今後、台数が増えコストも下がれば、高効率省エネルギーのLEDは蛍光灯に変わり照明の主流となっていくことでしょう。



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